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レポート77 / 「中小食品メーカーがDXで失敗しないための7つのポイント」
 
 
     
 



中小食品メーカーがDXで失敗しないための7つのポイント



みなさん、こんにちは。ジャパンフードカンパニーの南口です。

以前のコラムで「DXを成功させるポイント3つ」をご紹介しました。あれから2年以上が経ち、全国の食品メーカー経営者と向き合う中で、改めてこの3つは今でも本質だと感じています。一方で、支援の現場では新たに痛感するようになったことも増えてきました。


今回は内容をアップデートし、「DXを進める上で押さえておきたい7つのポイント」として整理しました。今回は前編として4つをお届けします。


1. トップダウンで号令をかける ── 部門間の対立を裁けるのも、経営者だけ

2. 現場の小さな「面倒」から手をつける ── 小さな体験が現場を動かす原動力になる

3. まず既存システムから始める ── 多額の投資より先に「そもそも必要か?」を問う

4. 浮いた時間の使い道を先に決める ── 効率化は「次に何をするか」とセットで成果になる

5. 成果を見える化する

6. 成功を横展開する

7. 社内だけで抱え込まない


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ポイント1:トップダウンで号令をかける


DXが進まない企業の多くに共通するのは、トップダウンでないことです。


担当者が動こうとしても、上司の承認が下りない。他部門の協力が得られない。最終的に立ち消えになる。こういったパターンはもちろんのこと、さらに根深い問題があります。DXを全社的に進めていくと、必ず「部門間の利害の衝突」が起きます。


たとえば、ある業務を自動化しようとしたとき、担当部門は「これで楽になる」と歓迎しても、関連部門は「自分たちの仕事が変わる」と抵抗することがあります。効率化の話のはずが、いつの間にか部門間の綱引きになってしまう。これは珍しいことではなく、規模の大小を問わず、全国の支援先で繰り返し見てきた光景です。


各部門が自部門の利益を優先するのは、ある意味で当然のことです。ただ、DXに必要なのは全社的な視点での判断です。どの部門の誰かが正しいとか正しくないとかの話ではなく、「会社全体としてどうすべきか」を決められるのは、経営者だけです。


ツールの選定や実務の細部は現場に委ねて構いません。ただ、「会社として取り組む」という意思決定、そして部門間の対立が生じたときの最終判断だけは、経営者にしかできません。


現場が動くのは、トップが動いた後です。



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ポイント2:現場の小さな「面倒」から手をつける



「DX」と聞くと、基幹システムの刷新や大掛かりな仕組みの見直しをイメージする方も多いでしょう。ただ、最初からそこを目指すから動けなくなるのです。


まず始めるべきは、日々のルーティン業務の中にある「手間と面倒」を一つ取り除くことです。


先日、弊社が出展した展示会で特に反響が大きかったのが「領収書のOCR自動化」でした。毎月の経費精算で発生する領収書の手入力・整理・確認作業を、AIを活用したOCR(文字認識技術)で自動化し、担当者が「確認するだけ」の状態にした事例です。月に何時間もかかっていた作業がほぼゼロになりました。


来場者から「うちもこれをやりたい」「これならすぐできそう」という声が次々と上がったのは、誰もが毎日感じている「あの面倒」に直接刺さったからです。


そして、一つの「面倒」が解消されると、現場から必ず声が上がります。「次は○○もどうにかならないか。」


トップが無理に旗を振らなくても、現場が自発的に改善のアイデアを持ってくるようになる。これが、本当の意味でのDXのスタートです。



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ポイント3:まず既存のシステムを活用する(多額のシステム投資はしない)



DXを進めようとすると、「専用のシステムを一から構築しなければ」と考える方がいます。これは大きな誤解です。


大企業でない限り、既存の市販ツールで十分に対応できます。しかも、自社専用システムの開発は、想定外のコストと期間がかかることがほとんどです。システム会社から様々なリスクを提示され、気がつけば当初予算の数倍になっていた、という話は珍しくありません。


重要なのは、既存ツールを導入する際に「そもそもその業務・作業は本当に必要か?」という問いをセットで持つことです。


「自社のやり方に合わない」という理由でシステム化を諦める企業が多いですが、実はそのやり方自体が不要なケースも少なくありません。以前のコラムでご紹介した「ダブルチェック」の事例のように、長年の慣習として続けてきた作業が、数字で見ると費用対効果の合わない作業であることがあります。現状のフローを疑わずにシステムを乗せようとするから、コストも工数もかさむのです。


まずは既存ツールで小さく動かしてみる。そこで出てきた課題を整理しながら、本当に必要な仕組みだけに投資する。この順序が、失敗しないDXの進め方です。



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ポイント4:浮いた時間の使い道を先に決める



ここが、多くの企業が見落としているポイントです。そして今、最も強調したいことでもあります。

作業が効率化されて担当者に「空き時間」が生まれたとします。では、その時間で何をしますか?


答えが決まっていないと、生産性は上がりません。むしろ落ちることもあります。


「楽になった」で終わると、空いた時間をなんとなく過ごすことになります。意図せず手が止まる時間が増え、業務全体のリズムが乱れる。作業自体は効率化されているのに、結果としてスピードが落ちていく。これは現場の意欲の問題ではなく、仕組みの設計の問題です。


効率化に着手する前に、必ずセットで決めておくべきことがあります。


- 浮いた時間で、何に集中するか

- 削減した工数を、どの業務に再配分するか


たとえば「請求書入力が月3時間削減できたら、その時間で新規顧客へのフォローコールに充てる」と決めておく。こうして初めて、効率化が「成果」に直結します。


DXは作業を減らすことが目的ではありません。減らした分を、より価値のある仕事に向けることが目的です。


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まとめ(前編)


今回ご紹介した4つのポイントを整理します。

1. トップダウンで号令をかける ── 部門間の対立を裁けるのも、経営者だけ

2. 現場の小さな「面倒」から手をつける ── 小さな体験が現場を動かす原動力になる

3. まず既存システムから始める ── 多額の投資より先に「そもそも必要か?」を問う

4. 浮いた時間の使い道を先に決める ── 効率化は「次に何をするか」とセットで成果になる


今後は、残り3つのポイント「成果を見える化する」「成功を横展開する」「社内だけで抱え込まない」をお届けします。


「何から手をつければいいかわからない」「一度やりかけて止まっている」という経営者の方、まずは現場の業務を一緒に整理するところから始めませんか。弊社では業務効率化・DX推進について初回のご相談を承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。


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