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コラム 「食品開発×SDGs」 | ||
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(2) Z世代とサスティナブル消費 | ||
皆さま、こんにちは。株式会社Agritureの小島です。
前回のコラムでは、規格外野菜を乾燥加工することで食品ロスを“資源”に変える「アップサイクル」の可能性についてご紹介しました。今回はその続編として、「Z世代とサスティナブル消費」をテーマにお届けします。
Z世代とは、1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代を指します。SNSやネットを通じて多様な価値観に触れて育っており、消費においても「価格」や「機能」だけでなく、「背景にあるストーリー」や「社会的意義」に共感して商品を選ぶ傾向が強いのが特徴です。
博報堂の調査(2025年)によると、「身近な地域の活性化に貢献できる商品を購入したい」と回答した人は
80.4% にのぼり、「購入を通じて自分の社会的・環境的な貢献が見える商品」にも 73.7% が関心を示しています。これらの結果から、サステナブルであることは、若い世代において“選ばれる理由”の重要な選択肢になっていることがわかります(博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査2025」より)
そのような価値観を体現したブランドの一例として、スウェーデン発のオーツミルクブランド「Oatly(オートリー)」をご紹介します。
Oatlyは、「Milk, but
made for humans(牛乳。でも人間のために作られたもの)」という挑戦的なコピーで知られ、動物性食品に依存しない新しいライフスタイルを提案しています。販売戦略も独特で、スーパーマーケットではなく、まずカフェやバリスタを中心に導入することで、Z世代が日常的に触れるシーンに自然に浸透させました。
また、広告やパッケージには遊び心のあるコピーや環境メッセージが散りばめられ、製品の裏側にある思想や透明性の高い環境報告がブランドへの信頼感を生み出しています。単なるミルクの代替品ではなく、「価値の代替提案」として認知されるに至った好例といえるでしょう。
出典:
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Oatly 公式サイト:https://www.oatly.com
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TIME誌:How Oat Milk
Could Change the Way You Drink Coffee こうしたブランドの姿勢は、私たちのような中小企業にとっても大きなヒントになります。
たとえば当社では、Z世代のお客様から「どこで作られていますか?」「添加物は使っていますか?」「なぜ乾燥加工しているのですか?」といった質問を日常的にいただきます。ただ美味しいだけではなく、その背景や意義に共感できる商品を求めていることが伝わってきます。
Z世代向けの製品・サービス開発においては、次のような視点が重要になります。
● つくり手や原料の顔が見えること
● 製造工程や物流も含めた“透明性”のある設計
● デザインやコピーも含めた“共感軸”でのブランドづくり
● SNS・動画・WEBを通じた日常的なコミュニケーション つまり、「つくること」と「伝えること」をセットで考えることが求められています。
大量生産・大量消費の時代が終わり、「どのような価値を、誰に届けるか」がよりシビアに問われる時代になっています。Z世代は、まさにその問いに最も敏感に反応する存在です。
私たちAgritureも、これからのOEM開発においては、社会課題への関心や共感を軸とした「Z世代と共につくる食品」を強化していきたいと考えています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Agritureの取り組むサスティナビリティについて : https://agriture.jp/sustainable/ |